”同胞”の裏切りにより罠にはめられた私は、皇帝の影武者を暗殺しマロ将軍が待つ”脱出経路”へ飛び込んでしまった。
窮地を切り抜けソリチュードを脱出したイニゴと私は、襲撃を受けている闇の一党聖域へと急いだのだった。
ネタバレ注意願います。
デス・インカーネイト 前編
聖域燃ゆ
聖域の近くには荷車が置かれていて、油の詰まった樽が大量に積まれていた。
入口付近にはたいまつを持って警戒するペニトゥス・オクラトゥスの兵士達の姿が数名確認できる。

リンクス、この大量の油は・・・・・・。

聖域の中を燃やし尽くすつもりだろう、マロ将軍は闇の一党を壊滅させるつもりだ

俺とシャドウメアで外の奴らを片づける、お前は聖域に入って仲間を助けるんだ!

わかった。気をつけろよ、イニゴ!

死ぬなよ、リンクス!
聖域の扉を開けたとたんに、ものすごい熱気が襲ってくる。
大量にばらまかれた油は不自然に燃え広がり、いたる所が紅蓮の炎に包まれていた。
血と炎で赤く染まる聖域の中をペニトゥス・オクラトゥスの兵士達が血走った目で駆けずり回っている。その目は完全に正気を失っていた。
二人の兵士が物陰から飛び出してきて、左右から襲い掛かってきた。
片手剣と盾装備に持ち替え、防戦一方でジリジリと炎の方へ追い詰められていく。
まずい、どちらかだけでも倒さないと・・・、私の焦りを感じ取った相手が踏み込んできた。
そのとき、炎の中から1つの影が飛び出して右側の兵士の一人を斬り捨てた。
鋭い剣捌き・・・ヴィーザラだ!
左側の兵士を倒し、頼もしいアルゴニアンと向かい合った。

ヴィーザラ!

戻ってくれたか、リンクス!

遅くなった、すまない。他のみんなは?

襲撃でバラバラになった、奥へ急ごう!
奥へ進むほど炎の勢いは強くなってきた。
逃げ場を失った煙がもうもうと立ち込め視界が悪くなってきている。
涙でかすむ目を開いたとき、強烈な青白い光が煙を貫いて視界に飛び込んできた。

リンクス、あそこを見ろ!

氷雪の魔法?あれは・・・

ウィザード・・フェスタスのじいさんだ

ゴホッ、ゴホッ・・、あぁ煙くてかなわん

じいさん!無事だったか!

遅いぞ、馬鹿もん!・・・ヴィーザラも一緒か。フン、これで形勢逆転だな。暴れてこい若僧!わしは少しでも火を食い止める

頼んだ!・・・じいさん、顔が焦げてるぞ

変性魔法じゃ!!
フェスタスが炎の勢いを食い止めてくれた隙を見て、私とヴィーザラは奥へと駆けこんでいった。
慣れ親しんだ聖域が見る影もなく燃えている。
動揺する私と違い、ヴィーザラはこんな状況でも冷静に五感を研ぎ澄ませていた。

この匂いは・・・、リンクスこっちだ!
ヴィーザラの示す方向へ進んでいくと兵士の断末魔が聞こえてきた。
剣戟の代わりに、怒れる獣の咆哮が私たちの耳に飛び込んできた。
煙の奥からガブリエラを守るようにして、巨大なウェアウルフが姿を現した。

アーンビョルン、ガブリエラ!大丈夫か!?

グルルルルル

リンクス、ヴィーザラ!助かったわ!

ガブリエラ、どんな状況だ?残りのみんなは?

バベッとはリフテンに出かけていたからここには居ないわ、彼女はきっと大丈夫よ。ナジルがこの奥に取り残されているの。アーンビョルンが行こうとしたのだけれど、ひどい怪我を負っているから私が止めたの。リンクス、ナジルを助けて!

任せろ。ヴィーザラ、この二人を助けながらフェスタスと合流して脱出してくれ

・・・すまない、リンクス。必ずナジルと二人で生還してくれ!あとの仲間のことは俺が命に代えても脱出させる

頼む!
ナジル救出
生き残った仲間が出口に向かうのを見届け、私はさらに聖域の奥へと単身向かった。
ここは、聖域のダイニングエリアか。
くそっ。皆がここでくつろいでいたことを思い出し心が痛む。
奥からナジルの声が聞こえてきた! 感傷に浸る暇はない。
階段を駆け上がると、炎に囲まれながらナジルがペニトゥス・オクラトゥスと剣を交えている。

リンクス!生きていたんだな!

ナジル・・・すまない。皇帝・・・あれは罠だった。誰かにはめられたんだ。

そのようだな。お前が黒幕だとも考えたが・・・お前はここに戻り助けてくれた。その疑念は消えた・・・だから、礼を言おう。

他の仲間は無事だ。今頃はヴィーザラが先導して脱出しているはずだ。

そうか、よかった・・・・・・。アストリッドは?見ていないか?

見ていない。彼女はどこに行ったんだ?

ちっ、アストリッドを探したいところだがこのままでは丸焦げだ。これ以上ここに居るのはまずいぞ!

くそっ、ひとまず脱出しよう!
夜母と共に
燃え盛る炎の中をナジルと二手に分かれて出口を探して回るが、崩れ落ちた柱がふさいでしまっていた。
その時、私に夜母の声が届いた。
聞こえし者よ。私こそがあなたの唯一の救済となりましょう。さあ、私を抱擁なさい
抱擁?棺の中に入れと言うことか!?(またか・・・(-_-;))
天井が今にも崩れ落ちそうだ、選択肢はない。
私は再び夜母の棺の中に入った。
すぐに天井が崩れ落ちる音がしたかと思うと、私と夜母の入った棺は大きな衝撃を受け倒れた。
私は頭をひどく打ち・・・・気を失った。
そういえば最初にこうして棺に入ったのはアストリッドの無茶ぶりだったな
それが最後の記憶だった。
続く
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