LotDの攻略を再開します。過去動画を見ながら、再プレイもしながらの長い道のり(-_-;)

書籍:ハッツの番人 歴史か神話か?第一巻

ハッツの番人 歴史か神話か? 第一巻

著アルタン・バー・アル=カリル

 

我が祖国ハンマーフェルを蹂躙した大戦と、後に続いた戦争の末期の頃、私はまだ子供だった。その頃のことは、子供時代の家を出てシロディールに逃げようとしたこと以外、あまり覚えていない。
鮮やかな記憶として残っているのは、日中は洞窟や古い遺跡に身をひそめ、見つからないように徹底して闇にまぎれて移動していたことである。とりわけ、家族で川沿いの移動は危険だったため、暗夜行はよろめきながらの移動であった。
そういう記憶のためか、私は今でも洞窟を恐れている。

私の家族は資産家ではなかったが、母アノーラ・タル=シャナールは見習い錬金術師、父カリル・アル=セドレットは熟練した職人であり建築家だった。そのため、白金協定締結後のシロディールでは、彼らの労働力は非常に需要が高かった(両親は、 “タル” は女の娘、 “バー・アル” は男の息子を意味する “適切な” 名前を使うことを常々主張していた。よって母アノーラはシャナールの娘、父カリルはセドレットの息子、という意味になる)。

当時は難民も多く、母が治療薬の知識を豊富に持っていたこともあって、全体的にみれば我々の暮らしはよかった。帝国との新しい協定により、アルドメリ自治領はハンマーフェルに対して、ただちに残存する大部分の軍を集結させたので、我々はこの間ずっと故郷を離れていたことになる。
しかし父は、コロールの南西部が比較的安全だと察するやいなや、祖国防衛のためにハンマーフェルへと舞い戻っていった。

これから書くことは父の戦争体験談ではあるが、そういうことより重要なのは、ひょっとするとこれが謎に包まれた “ハッツの番人” の唯一の目撃談かもしれないということである。
この長大な本は、読者の皆さんを信奉者にしようと試みているのではない。
単にこれは当時の一個人の話であり、信じるか信じないかはあなた次第である。
以上をふまえて、父が彼自身の言葉で語った話を始める。

 

あれは四紀 177 年の夏ごろだったか、いつだったか定かではない。戦場の兵士は、常時ポケットにカレンダーを携えているわけではないのだ。士気は最悪で、物資の欠乏も甚だしく、我が国は人種差別主義者のアルドメリ自治領に隷属させられるかのようだった。

長年経った今でも、この事を考えると怒りが湧いてくる。疲れ、餓え、弱っていた我々は、リヤドの北西、タニスから北東に位置する小さな森林地帯に野営していた。
当時は知るよしもなかったが、エルフ達は両方の港町(リヤドとタニス)を経由した海側と、シロディール方面から渡河した陸側からの共同攻撃をすべく、軍を集結させていた。

北西の平野部に向かう小さな後退路を残して、彼我とはほぼ東と南で接しており、実質我が軍の 3 分の 1 を包囲する形となっていた。これが成功していれば、戦争の結果が大きく変わっていたのは間違いないだろう。

神からの贈り物か、フランダー・ハンディングの神意、はたまたただの馬鹿、単なる偶然と言うべきか、その後 2 年の戦争の行方を決定づける運命のいたずらが起こった。

ある日、我が軍の指揮官ハッサン将軍あてに、アルドメリの攻撃計画に関する緊急書信を携えた者が、我々の野営地に走ってきて接触してきたのだ。書信は簡素だった。

「あなた方は全滅させられようとしている。信じられないなら、河の流域と海に優秀な斥候を送ってください。」

署名は「友より」とだけあり、それが一体どこから来たのか、未だに大きな謎のままである。

しかしこの内報のおかげで、我が軍は迅速に動ける小部隊に分かれて、北方の安全な場所へ退却することができた。本当に安全な場所はどこにもなかったが、南よりかはずっとましだった。

 

数週間後、サルモール指導部がエランディルという現場の司法高官に激怒している、という話を耳にするようになった。奇襲攻撃が不発に終わった原因が、エランディルの不注意によるものとみていたようだ。

彼が副官に降格されたという噂を聞くに及んで、なぜか分からないが我々はささやかな喜びを味わった。しかしそれはあくまでも噂であり、確証のないものだった。また、彼が帝都の最高指揮官の1人として現場に送られた事も聞いた。その後、帝都の陥落でエランディルは再び責任を取らされることになる。

その年の終わりか翌年の初め頃、赤輪の戦いの英雄といわれたシロディールのインペリアルの話を、我々は聞くようになった。
誰から聞いたかにもよるが、 “ヴァル” と名のる男が突撃を指揮して、 1 つしかない橋を渡って正門まで突き進み、帝都内に入ったという話である。

彼は単独で目からファイアボールを出し、尻からの雷撃でエルフを屠ったなどと言い張る者たちもいたが、それらは全く根拠のないものだ。いずれにせよ、彼の妻子は拷問を受けた末に殺され、遺体を帝都の緑皇通りに晒し者にされたといわれていた。

これはアルドメリがよく使う手段だが、帝国を恫喝するための手段はさらに凶悪だった。家族の運命を知ったヴァルは怒髪天を衝き、探し出したアルドメリを暗殺する秘密工作を開始したという。

 

お察しの通り、アルドメリがこの状況を甘んじて受け入れるはずもなく、結局ヴァルは捕らえられてサルモールへ連行された。しかし彼が殉教者になるのを恐れたのか、死ぬまで拘束し続けるよう帝国に圧力をかけたものと思われる。

さて、ここから佳境だ!

ヴァルの家族を残虐に拷問死させた士官は、エランディルであったことは語り草だ。また、白金協定へと導いた重要な出来事の一つ、赤輪の戦いで、大戦における帝国最大の勝利をもたらしたのがヴァルだったことを、エランディルは分かっていた。

彼はヴァルに憎悪を抱いた。もしかしたら、この憎悪は人種差別的なものよりさらに大きかったかもしれない。そしてヴァルも、帝都獄舎での拘束期間が長くなるにつれて、執着するようになっていった。

この 2 人の男の最後の対立の舞台は、最終的にハンマーフェルの戦場へと達していく。

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